我が家では、2歳のメスのパグを飼う前に、外でコーギーを飼っていたものの、年を重ね体力に自信がなくなった飼い主の私たちは、室内犬を選びました。
「コーギーを飼おう」と思ったとき、候補に挙がったパグは、「汚れや皮脂が溜まりやすい、多くの深い顔のしわを、毎日丁寧に濡れたタオルで拭いてあげるのが面倒」と友人に言われました。
仕事が忙しく、子どもも小さかった当時、候補から外してしまった日から14年を経て、コーギーは老衰のため亡くなりました。
子どもの受験問題や、体の調子が悪くなった私を見兼ねた主人が、ある日いきなり「この家には癒しがない。室内犬飼うぞ」と言い出し、ネットでブリーダーを探し始めました。
車で1時間ほどのところにあるパグ専門のブリーダーに決め、紹介された生まれたばかりの5匹の中から、ちょっとたくましく病気になり難そうな、背中がひときわ広い子犬を選びました。顔が黒く、てっきりオスかと思ったらメスでした。
2ヵ月後に迎え入れた当初、小さなゲージの中で過ごさせ、片手でも持てるほど小さかったパグを、ゲージから出して遊ばせたり、おやつを食べさせたりしていました。抱きかかえると可愛く、つい長時間撫でていました。
しかし、パグに対する知識がネットで調べた程度しかなかった私たちは、顔や耳を毎日拭いていた以外、ほかのことはコーギーと同じように扱っていました。
パグの知識があまりなかったため、大きな失敗がありました。
私たちの肌感覚で涼しいと思った夏の昼間に散歩してしまい、暑さに弱く夜間嘔吐しぐったりしたパグをすぐ病院に連れて行くと、案の定、熱中症にかかっていました。あと少し遅かったら大変なことになっていたものの、幸い点滴と薬で回復しました。
「鼻が短いパグは、空気が熱いまま体内に入ってしまうため、暑いとき絶対に散歩しないで」と注意されて以来、夏場は21時過ぎに散歩に行きました。
また、夏場に体中にかゆみがあり、酷くなると血がにじむほど足首を噛んでいましたが、皮膚を見ても何も変わった様子がなかった数日後、病院に連れて行くと、皮膚炎にかかっていました。
中国原産のパグは、「日本の湿気と暑さにとても弱く、体中がかゆくなってしまう」と診断されました。1ヵ月間飲み続けた薬と、耳の中に塗った薬で治って以来、部屋の湿気や気温に気をつけています。
生れも育ちも同じパグ専門のブリーダーでも、気づかないこんな体質だとは思いませんでした。「イライラして、後ろ足でお腹をよく掻いている」と思っていたのは、まちがいでした。
かなり高くなってしまった電気代の出費に頭が痛くなっても、丸い顔とクリクリした目を見ると、何でも許してしまう気持ちになるのは、俗に言う「パグ中毒」です。
心に余裕ができた私は、仕事が変わった主人、大学に入った息子、パグと、暇さえあれば遊んでいます。
家を出てしまうかもしれない息子がいなくなると、寂しさが増し、より一層可愛がってしまいそうです。
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